Stage 戻る bar2.gif HARAHORO SHANGRILA
君はバカを見たか?
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<ストーリー>

 この物語は、1億円を強奪した男と女の宿命的な出発で始まる。ローレル&ハーディ流にガソリンスタンドを踏み倒し、時速100kmで破滅へ向かって疾走する男と、その男に恋する女。二人は警察の指名手配をかわし、標のない旅を続けるというのはウソです。

 この物語は、夢遊病の弁護士、夢遊病の占い師、そして夢遊病のパンクの3人が偶然、真夜中の公園で出会う場面から始まる。現実の世界では、到底、知り合う機会などないに等しい3人が、その夢遊病のために自分自身の余計な部分を忘れて語り合う。
 最初に声をかけたのは弁護士だった。「はじめまして。失礼ですが、お名前は?」 「知りません。」と占い師。「そういやぁ、僕も知らないなぁ。」とパンクも中指立てずにつぶやいた。
 「そう言うあなたは?」「・・・知りません。」
やはり、弁護士も知らなかった。
 こうして夢遊病者3人の会話は始まった。「何処から来たのですか?」「知りません。」「何処へ行くのですか?」「知りません。」「お仕事は?」「知りません。」「お金持ちですか?」「知りません。」「知っていることは?」「知りません。」・・・「知りません。」「知りません。」「知りません。」「知りません。」「知りません。」「知りません。」・・・
 3人の夢遊病者にとって、知らないことは、結構、楽しかった。
 そこへ、突然、3人の前に記憶喪失のバカが現れる。彼は、なんと、自分がバカであることを忘れていた。
 「お前達はバカだろう?」
記憶喪失のため、人をバカ呼ばわりするバカ。しかし、夢遊病の3人はそれさえも知らなかった。
 「お前達はバカを見たことがないのか?」
 「知りません。」
 「それでは、私がバカを見せてやろう。」
 そう豪語する記憶喪失のバカ。そして、夢遊病の3人は、彼と共にバカを探すため、夜の街をさまよい歩きはじめたというのも、全くウソです。

 以下、あらためて、ハラホロシャングリラvol.2「君はバカを見たか?」のストーリーを説明しますというのも、てんでウソです。


『君はバカを見たか?』 中野俊成

 かつて、ボクは「バカ」を2種類に分類していた。ひとつは「死んで治るバカ」。しして、もうひとつは「死んでも治らないバカ」である。
 その境界線は単純に「バカ」の度合で決定されるのではなく、ニュアンスの相違によって、ただ漠然と存在している。例えば、「ナンパされた男の誘いのままにホテルへ行き、いとも簡単にHをする女」は「バカ」のなかでも「死んで治るバカ」に属し、その際「激しく抵抗する女」は、「死んでも治らないバカ」なのだ。何故と問われても、そうなのだから仕方がない。ただ言えることは、この場合、個人的には「死んで治るバカ」に魅力を感じるということだけだ。話が逸れてしまった。
 「バカ」の分類はいい。問題は、肝心の「バカ」自体をどう見分けるか。つまり、その定義付けなのだが、これは非常に困難な作業である。何故なら、ボク自身が知能欠落、つまり医学上の精神薄弱の面からそれを分類している訳ではないので、なんとも説明し難いのだ。
 ある日、ボクはドイツの人類遺伝学者に、「バカ」を研究している、ホルスト・ガイヤーという人がいることを知った。彼は「馬鹿について」という著作の中で、「バカ」を大きく3つに分類していた。
 「知能が低すぎる馬鹿」、「知能が正常な馬鹿」、そして「知能が高すぎる馬鹿」。
 やはり、「バカ」を定義付けする上で、その知能は決定的な判断基準にはならないようだ。なにしろ、「バカ」のなかには、知能が正常な者も高すぎる者もいるのである。
 おそらく、「バカ」を定義付けすることなど不可能なことなのだろう。「バカ」とは、ボク達人間が、知能を含めた個人的なあるカテゴリーからはみ出た者達を排除するために生み出したものだからだ。
 つまり、「ナンパされた男の誘いのままにホテルへ行き、いとも簡単にHをする女」は「バカ」であるが、「ナンパされたボクの誘いのままにホテルへ行き、いとも簡単にHをする女」は、「バカ」ではないのだ。



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