Profile HARAHORO SHANGRILA

今月のテーマ

1999
12月 私の今年の10大ニュース

 今年のダイアリーを振り返ってみると、一番大きかった出来事は、やはり「初入院」だった。

 実は、6月公演、『REST ROOM』直前に、僕は体調を崩し、3週間ほど入院していたのだ。
 入院の4、5日前から調子が悪いな、と感じていたのたが、風邪だろうぐらいに思っていた。
 しかし、あまりにも具合が悪く、高熱もでてきたので、注射の一本でも打ってもらって元気になろう、なんて考えで、近所の総合病院に行ったところ、なんと、即入院、となってしまったのだ。5月20日のことだ。
 そのときもまだ、2、3日の入院で済むだろうと、たかをくくっていたのだが、なんと結果、3週間もの入院生活となってしまった。
 6月に入ったら、公演の稽古が本格的に始まるのに、というあせりと、ここ何年か味わったことのないほどの有り余る時間を無為に過ごすという一種の贅沢な感じが、ないまぜになった、妙な3週間であった。

 しかし、6月9日、退院してみると、本格的に始まっていたはずの公演稽古は、台本が一行も出来ていないため、全く始まっていなかった。公演初日は22日だというのに・・
 結局この芝居は、最終的に台本があがったのが、初日の昼ごろという、記録的な遅さだった。病み上がりの身には少々きびしい状況の公演であった。

 そのほかのニュースとなると、この入院さわぎ以外は、僕がキャプテンを務めるサッカーチームが公式戦初勝利!とか、9、10月絵のモデルやりました、これも初体験!など、なんだかぼんやりしちゃうような話題しかないんだよね・・・
 あっそうそう、メールアドレスできたのが今年だ。これで随分コミュニケーション改革という感じになったかな。僕の周りはかなり電脳化がすすんでいるのです。
 あとは、ロッテフラボノガムのCMに劇団員多数で出演したな。僕と石黒亜実、河野景子がメインで、エキストラも全員ハラホロでした。結構反響の多いCM出演で満足。
 と、こんなとこが今年のニュースかな。

 最後に、今年みた映画と演劇のよかったもの。
 演劇、パルコ劇場『温水夫妻』三谷幸喜作。
 映画、『ライフイズビューティフル』
    『LOCK,STOCK,TWO SMOKING BARRELS』


11月 3連続公演までにやっとかなきゃいけないコト

 「体づくり」かな。
 けっこう普段から体を鍛えているけど、公演の稽古に入ると、忙しくて、ジムに通う時間がなくなってしまうのだ。
 以前も書いたことがあるが、初演の『われもの注意』は、僕のジム通いのキッカケにもなったのだ。
 この芝居は、ハラホロには珍しく、大変よく動く舞台なので、終演後はグッタリで、明らかな体力の衰えを感じた。
 それに、僕は、剣道バカの役で、腹の出てない30代の男という設定なので、絶対太るわけにはいかない。
 むしろこれから、腹筋を重点的に鍛え、割れた腹を披露しようかな、というヒソかな野望すらあるのだ。
 なんて書いちゃうと、ひっこみがつかなくなってしまうかな?
 まぁ、結果は一月の舞台のおたのしみ、というわけで・・
 その前に今は11月公演のことで手一杯です。
 これから忙しくなるぞぅ!


10月 自分の鍛えたい部分

体のほうは、30代半ばにしては、けっこう鍛えているほうだと思う。
ただ、腕を太くしたいのだが、いくらやってもあまり太くはならない。もう少しキツめに鍛えて、プロテインなどを飲んだりしなくてはならないのかもしれない。
しかし、なにもそこまで・・という気もする。別に、マッチョになりたいわけではないのだ。

心のほうは、30代半ばにして、日常ではない物事をやるのが、少し億劫になってきてしまっているので、何とかしたい。
新しいことをはじめるのも然り、いつもはやらないことをしなくてはならない時も然り。
もともとフットワークのいい方ではないかもしれないが、日常に埋没したくなくて、役者なんてやっているのに、何というていたらく!
もっと精力的にいろんなことに臨みたいものだ。


9月 秋になったら真っ先に食べたいもの

 僕は、知る人ぞ知るクサいもの好きである。
 例えば、一番好きな野菜は、クレソン。
 そして、台湾や、タイ、ベトナム料理などによく使われるコリアンダー(香菜、パクチー)なんかも大好きだ。
 セロリ、セリ、三葉、春菊と、とにかくヒトクセある野菜を好んで食べる。

 同様に、魚はいわゆるひかりもの、青い背中の魚が好きだ。
 その中でも、王様は、秋刀魚。まぁ、通年食べられるけれども、やはり、秋のあぶらののったのが一番だ。

 秋刀魚といえば、こんな逸話がある。
 10年くらい前に、下北沢の「千草」という定食屋で、「サンマ焼き定食」を食べたときである。
 僕の食べ終わった皿を見て、千草のおばちゃんが大声で、
「あらぁ、きれーに食べてるわねぇ。」と驚嘆した。
 確かに僕は、大好きなサンマなので、食べられる部分はすべて食べ尽くしていた。
 絵にかいたように頭と背骨としっぽしか残っていない。ハラわたも小骨も全部食べた。だって美味しいから。
 おばちゃんは、その感動を誰かに伝えたいらしく、
「ほら、ちょっと来て!この兄さんすごくきれいに食べてるのよ!」と同僚のおばちゃんまで呼ぶ始末である。
 すると、呼ばれたおばちゃんも、
「あら、やだ、ホント。」などと同調してきて、僕はなんだか、とてもはずかしくなってしまった。
「あ、いや、好きなもんで・・・」などと言い訳までしたりして。
 まるで自分が卑しい人みたいな気までしてきた。よっぽど腹がすいていたとか、貧乏な育ちで、食べ物を残すことに罪悪感があるとか、そんなふうに思われてるんじゃないかと。
 確かに、出されたものを残すのは好きではないが、この場合はちょっと違う。単にサンマがすきだから全部食べたのだ!
 しかし、おばちゃんたちは、純粋に感心してくれただけらしく、若いのにえらいわね、というニュアンスで接してくれた。だから僕も少しホコリに思うことにした。

 そして、あいかわらず秋になると、サンマが食べたくなる。シンプルな塩焼きがいちばんだ。


8月 夏の間に読んでみたい本

 これは一部の人達しか知らない事実だが、僕は前公演(REST ROOM ) の直前に体調をくずして、しばらく入院していた。
 入院中はいろいろな人がお見舞いに来てくれて、いろいろ差し入れをしてくれた。

 その中で一番退屈しのぎになったのは、本だ。みんないろいろなジャンルの本を持ってきてくれて、それぞれ楽しんだのだが、その中で一番はまったのが、天童荒太の「永遠の仔」だ。これは新刊書で上下2巻のとてもぶ厚い本だが、あっという間に読んでしまって、何年かたったら再読してみようと思ったくらい、よく書かれた本だった。大変精緻な文章も、物語全体の雰囲気を表現するのには大切なアイテムだし、何せよく勉強している筆者だな、と感心した。アダルトチルドレンという現代的な命題を正面に据えて、なおかつミステリーとしてもよくできているというのは、読者層の間口が広くてすばらしい。
 というわけで、天童荒太のものを続けて読んでみようと「永遠の仔」の前作にあたる「家族狩り」をGETした。これもなかなかショッキングな内容らしくて、わくわくしている。
 今年は前半、昨年より続いていた“山本文緒”マイブームも、力作「恋愛中毒」で終息しつつあったが、初夏にあらわれた天童荒太がまた新しいマイブームの火付け役になるのか、という感じである。

 なお、その他、夏に読もうと買ってある本は、新しく文庫化された宮本輝の「胸の香り」と宮部みゆきの「夢にも思わない」である。


7月 自分のことを見直した瞬間

 現在の住まいに引越してから2年半くらいになる。
 ここは、敷金礼金1ヶ月づつ管理費ナシのいわゆる格安物件だった。
 お金のなかった僕は当然即決したが、入居してみると、台所や風呂場のいわゆる水まわりに問題があることがわかった。
 蛇口がすべてゆるいのである。水道をひねると蛇口ではない部分から水が噴出す、シャワーではない部分がシャワーのようになる。
 これではいくら格安とはいえ、水まわりの修理費だけで、かなりかかってしまいそうだ。
 そこで、ふと、これは自分で修理できないもんかと問題のある部分のメーカーと型番を控えてハンズにいって相談してみたところ、ハンズのおじさんは大変親切に相談にのってくれて修理の仕方を教えてくれた。
 そして、早速家に帰って全ての蛇口のパッキンをかえ、シャワーヘッドを交換してみたところ、なんと全ての水問題が解決したのだ。
 やればできるぜ俺!
 その後、自分でできそうなことはやってみるようにしている。


6月 自分のことが嫌いになった瞬間

 春の交通安全運動期間中は、僕たち原チャリ組はちょっとしたことで捕ってしまうので、本当に安全運転を心がけている。しかし、つい油断してしまうと、やっぱりやられてしまうものだ。
 僕は自分の店でサッカーチームのキャプテンを務めている。その日、以前大敗してしまったナインティナインのチームと練習試合をした我がBASEチームは、強力助っ人を得て、何と雪辱を果たしたのだ!みんなで勝利のジュースを飲んで、僕は、その日の店の買い出しに行くことにした。もちろん愛車の原チャリでだ。
 買い物をすませて、淡島通りから山手通りに出ようとしたら、松見坂が混んでいるここを左折したら、うちの店まですぐだ。ふと見ると右折レーンがあいている。原チャリだし、右折レーンから、となりのレーンのすきまに入ろうと思い、ゆっくり下って、左の車線に入った。そしてそこに白バイがいたのだ。
 信号が変わって左折したとたんにとめられた。右折レーンから直進レーンに移ってはいけないのだ。まあそうだが、せこい罪だ。点数1点ひかれ罰金5000円也。
 あーあやっちゃったなあ、あと店まで200mもないのに、と思いつつ山手通りをのろのろと30mくらい進んだ所で、また警官にとめられた。今度は何だ、と思ったら、地面に「とまれ」と書いてある。一時停止無視だ。そりゃちょっと放心ぎみだったど、危なくないかどうかぐらい確認したんだけどなぁ。せこい。
 しかし、罰金5000円と何と点数2点!これで免停ギリギリになってしまった。

 せっかくサッカーでは勝ったのに、30m以内で2回もつかまるなんて、とたんに自分自身が嫌になってしまった。


5月 謝りたいこと

 毎月、劇団員たちはこのコラムを書いているのだが、パソコンを持っていない劇団員たちは、皆、FAXもしくは、手渡しで、石黒亜実ちゃんの所に原稿を送って、それを打ってもらっている。
 たいへん申し訳ないので、なるべく早く原稿を送ろうと思っているのだが、いつもしめきりギリギリになってしまう。−とかなんとかいっているこの原稿のしめきりも今日なのだ!

 今年中にはパソコンを手に入れて、亜実ちゃんの負担をへらし、みんなとE-mail
仲間になりたいと思う山本だった。


4月 春になると必ず思い出してしまうこと

春は花の季節である。
 東京都内はけっこう色んな所に花が咲いているのだ。上京したての頃にはまずそれに驚いた。
 山手線に乗っても、新宿あたりの土手は菜の花畑のようになっているし、東横線の土手はムラサキダイコンやコデマリの花が咲き乱れていて何だか田園風景のようだ。

この15年間その印象はあまり変らずに春になるたび、東京の花は僕の目を楽しませてくれる。
 僕の生まれ育った神戸もけっこう花の多い街と言われているが、実際そんなことはないと思う。神戸の電車は街中を走っていて、土手に花が咲いていたりはしないのだ。僕の通っていた高校に行く電車も海は見えたが、花は見えなかった。
 そして、春になって都内にいろんな花が咲きはじめると、15年前に上京したあの頃のことを昨日のことのように思い出す。
 何だか東京の春は初心にかえっちゃう季節なのだ。


3月 引き出しにしまってあるもの

 小さい頃からおばあちゃん子だったせいか、ものが捨てられない。
今でも部屋の片付けには一苦労する。ここまで大人になってしまったら、さすがに誰かにやってもらうわけにはいかず、身を切る思いをして物を処分していくしかない。

 しかし、人からプレゼントされたものはなかなか捨てられず、結果、いらないものなのに何年もうちにあったりする。

 中学1年生の時バレンタインデーに初めてチョコレートをもらった。
何だかすごくもったいなくて自分の学習机の引き出しに大切にしまって、少しずつ春すぎぐらいまでかけて食べた。
 しかし包み紙は捨てられず、きれいにしわをのばして引き出しの奥にしまっておいた。大切な思い出だし、もしかしたらもう2度とバレンタインデーにチョコなんてもらえないかもしれないと思ったのだ。
 結局高校生になって、そんなものをとっておいてもバカらしいだけだと思って全部捨ててしまった。だってそれは“チョコレートをもらった”というだけの事件だったからだ。中学生の頃はそんなことが大事件だったのだ。高校生の僕にとって、それは確かに大切な思いでだけど、机の引き出しをそんな思い出だけでいっぱいにしていては全く片付かないということを悟ったのだ。これからもいっぱい色んな事件が起きてそのたびにその証拠品で引き出しを満杯にするわけにはいかない。だって僕はまだ高校生でこれからたくさんの思い出をつくっていくのだから。

 しかし、それから15年以上たった今でも、引き出しのものを処分するときに大切ななにかまで捨ててしまうような気がして、ぐずぐずとしまっておいてしまう。
もっとものの無い時代に生まれてくればよかったのかもしれない。


2月 触ってみたいもの

 昔々、まだ小学生か中学生だった頃、一度オオサンショウウオを素手で触ったことがある。オオサンショウウオをご存じだろうか?あのイモリを巨大化したようなヤツである。井伏鱒二の「山椒太夫」の主人公だ。
 子供の頃は毎年母親の実家に遊びに行っていた。
岡山と鳥取と兵庫の県境に近いところで、とてつもなく田舎である。
だから遊ぶのもいつも大自然の中だ。その日は川遊びをしていた。川といっても護岸など全くしていない自然の川だ。川の両脇はヨシが繁り、そのヨシの下には魚がいっぱい隠れていた。その魚を素手で捕えていたのだ。夢中でヨシの下を探っていたその時である。子供の胴回り程もある、何だかとても冷たくて柔らかい、ちょっとぬるっとした感触のものをつかんだ。何かな、と思って足もとの方まで引っぱり出すと、何と巨大な真黒な生物なのだった。「うひゃっ」と小さく叫んで手をはなすと、そいつは一度大きく口をあけ、また這うようにヨシの繁みの下へ戻っていった。たったそれだけの短い接近遭遇だったのだが、その感触が心の中に強烈にインプットされてしまった。だからといってもう一度触ってみたいと願っているわけではないのだが、どこか、あの時の恐いもの知らずな自分というものになつかしさを感じているのかもしれない。
それ以来、未知の場所に手をつっこむのは億劫になってしまったから。


1月 今も心に響いている言葉

確か中学3年の時だったと思うが、音楽のペーパーテストで作曲の問題が出た。
「下記の音符で作曲しなさい」という、音楽に明るくない者にはさっぱり手も足も出ないような問題だった。
しかし、僕は小学校の頃から作詞作曲するのが好きで、中学2年の時、親にたのんで、ピアノを習わせてもらっていた。
そして自作の曲を次々楽譜におこしていたのだ。
ピアノの先生にはピアノだけでなく簡単な音楽理論なども習っていた。
というわけで、そんなテストは得意だった。
もう音符は決まっているわけだから、あとはリズムと小節分けと音階を決めていけばいいだけなのだ。たぶん、ハチロクの弱起の曲で、8小節くらいの作曲だったと思う 。調子にのって歌詞までつけたような気がする。
そして、テストが返ってくる日、先生がテスト全体の答え合せと所見をいった。
「この最後の作曲の問題は、ほとんどの人が全く出来ていませんでした。しかし、学年で一人だけ素晴らしい人がいました。」
何とそれが僕だったわけだ。しかし、次の言葉が僕を失望させてしまった。
「君は頑張れば“さだまさし”くらいになれる。」
何と僕は頑張れば、さだまさしくらいになれる可能性があるのだ… 
だったら頑張らなくてもいいかなぁと思った。
そして、急速に音楽に対する熱が冷めて、今では全く楽譜も読めない人になってしまった。
考えてみるとその先生は最高の褒め言葉をいったのかもしれないし、実際僕も、さだ
まさしは決して嫌いではないのだが、その言葉で頑張る気がしなかったのも事実である。
そして、高校2年でピアノをやめ、演劇を始めたのである。


1998
12月 最近、欲しいと思ってるモノ

僕には愛する娘が一匹いる。
ミニチュアダックスフントのハナだ。
こいつが来年の2月で3歳になる。
もう立派な娘盛りだ。
父親としてはぜひともオンナの幸せである出産をさせたいところなのだが、
なかなかそうもいかない。
ニンシンして子供を産むまでは何とかなっても、産まれた後の数ヶ月間の仔犬の世話は、忙しい僕にはとてもムリだ。しかし、ハナの子供の顔はぜひとも観てみたい。
だってカワイイに違いないから!・・・・・
何とも複雑な心境のパパなのだった。


11月 最近、我慢したコト

何か我慢してしてるかなあと考えても思いつかなかったので
親友の中谷まゆみ(※脚本家。代表作「ぽっかぽか」「お仕事です」)
に聞いてみた。
「最近オレ何か我慢してるかなぁ?」
「してない!ボビさんは我慢しないもん。」
ちょっとむっとした。ちなみにボビさんというのは僕のニックネームだ。
「しゃあ、まゆみは何か我慢してるのかよ。」
「してるよ。プレステやってるときすっごくおしっこしたくても
ずっとゲームしつづけるもん。そしたら恭ちゃん(まゆみの夫演出家坂垣恭一氏)
が下腹おして、それでもおしっこ我慢するもん。」
「・・・・・・・」
結局オレもオマエも同じ穴のムジナだった。


10月 最近発見したこと

 ダイエットは意外と簡単だということ。
 今年の春、スポーツクラブに入会した。
 去年の公演後に体力の衰えを痛感したことと、妙に太り始めていたことが気になりだしたからだ。通いはじめると不思議にハマッて、多いときは週4回くらい通っていた。(現在は、週2回、BASE ̄僕の経営する渋谷のバー ̄のサッカーチームの練習があるので、スポーツクラブの方は、多くても週2回くらいになった。)
 そうなると、みるみる体つきが変わっていくのだ。お腹がへこみ、かわりに胸がついた。しかし、体重に大きな変化はなかった。1〜2kg減っただけだ。相変わらず脇腹に肉はついているし、体脂肪率も20%近い。
 そうか、やせるためには食事を変えなければいけない!そう気付いたのだが、元来食べるのが好きな方なので、いわゆるダイエットは気がひけた。そこで考えたのが"お腹いっぱい食べないダイエット方法"である。
 要するに腹八分目におさえて、満腹にしないようにしたのである。具体的には、脂肪にかわりやすいといわれている炭水化物の摂取を控えた。控えたといっても、今まで一合食べていた米を0.8合にしてみただけである。考えてみたら、今までが食べすぎだったのかもしれない。ビタミンやたんぱく質は減らさないように、おかずは今まで通りにしてみた。そして、就寝前の飲食は極力やめた。
 すると、みるみる体重が減ってきた。春前は67kgあった体重が、61〜2kgになり、体脂肪率はなんと14%になったのだ!(体脂肪率は成人男子で、14%〜23%が適正といわれています。)
もちろん、今まで通りの生活を続けて、多少食事をおとしたところで、大した効果はなかったのだと思う。筋トレと有酸素運動、そしてちょっとした食事制限、それが、健康的なダイエット方法なのだということを身をもって発見したのだった。


9月 最近ついたウソ

 基本的に嘘は苦手というか、上手くないので最近ついた嘘というのも大それたものはありません。大体、言わなくていい事は黙っておけばいいし、自分の責任のとれる範囲でなら、正直者になっても人から嫌がられることはあまりないと思います。
 しかし、自分の思惑がはずれて、結果嘘をついた事になることもあります。

 ハラホロシャングリラは、次回公演に向けてのミーティングを毎週木曜日の夜に行っています。もちろん僕も参加しています。このミーティングというのが毎回なかなか読めないもので、大変白熱して議論が深夜に及ぶこともあれば、ほとんど不毛に近いとりとめのないおしゃべりタイムだったりすることもあります。ただ、公演間近だったりさし迫って議論するべき問題があったりする場合以外は電車で通っている劇団員のことも考慮して、終電前には切りあげることが、ほとんどです。

 さて、話はかわりますが、僕が劇団のかたわら渋谷である小さなショットバーの店長をやっていることを知っている人は少なくないでしょう。
 現在僕は、アルバイトを5人雇っています。そのうち2人は新人です。しかし、新人にも責任ある仕事をさせなければ、仕事を覚えないだろうというのが、僕のモットーなので、一通り仕事を覚えたら、一人で店を任せる時間を作ります。そうすることで、仕事を効率良くする方法やら、店に対する責任感を自ら学んでもらうのです。
 しかし、ある一人の新人は、運悪く木曜日の早い時間帯(19時〜22時)の担当になってしまいました。なぜなら、木曜はハラホロシャングリラのミーティングの日だからです。つまり、彼の後は僕が交代するのですが、彼は僕が来ない限り、ずっと一人で店をまわしていかなければならないのです。新人なのに!
 もちろん、僕はあらかじめ遅れるであろう旨を彼に伝えておきました。そしてその日は大した議題もないと踏んでいたので、「大体11時から11時半、遅くても12時までには来るよ」などと言っていたのです。
 しかし、僕の思惑ははずれました。劇団員の集まりが悪かったことに加え、小さな議題が結構あったのです。そして、一通り事務的な議題が終わった10時半頃から、いよいよ公演の内容の話に移って行きました。
 『あぁ、確実に遅れる!』
しかし、次第に熱をおびてくる皆に水を差すようなことはできません。しかも、アイデアを役者が出して、それを中野氏がキャッチして、劇世界を作り上げて行くというハラホロシャングリラの芝居の作り方の中で一番最初の大切な時間です。僕もその場に居ないわけにはいきません。
 あっという間に12時を過ぎていました。これから店に急いでも1時頃になるでしょう。とりあえず店に電話を入れます。
「今、どこですか。」新人君。「荻窪のケイコ場。」僕。
「オギクボですか……。」「急いで行くから!」
駆けつけた店内は、いつになく混み合っていました。

 結局、僕は嘘をついた事になります。
 しかし、新人君の「でもずいぶん、どう動けば無駄がなくなるかわかりました。」というけなげな言葉が、僕を救ってくれたような気がします。


2001
2000


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