2001
6月 雨にまつわる話
小学生の頃、カメを飼っていた。
カメだけではなく、金魚やインコや秋田犬や、うちにはいっぱい生き物がいた。
しかし、今回はカメの話。
うちになぜカメがいたのかは定かではない。
でも、イシガメとドロガメがうちにはいた。
そういえば、幼稚園にもカメがいた。
子供たちが利用する、運動場に面した手洗いのところに。
何故そこでカメを飼っていたのかは謎だが、10匹ぐらいはそこにいたような気がする。
決して広い場所ではない住居で、10匹のカメが折り重なるようにのそのそしていたのを思い出す。
はたして、うちのカメの住宅事情も悪かった。
一般的によく目にする、青いポリバケツの中だったのだ。
それじゃあ、カメたちも運動しようにも動けない。
だからなのかどうなのかは忘れたが、雨の日にはカメのバケツを軒下に出して、普段はほとんど水の入っていないバケツに水を満たしてあげていた。
そうすると奴らはゆらゆらと、決してうまくない感じで泳ぐのだった。
その日も雨で、いつものように軒下にカメのバケツを置いていた。
しかし、その日の雨は予想以上に多く、バケツの水があふれ、なんと、カメたちが逃げ出したのだ!
軒下には雨水でいっぱいになったバケツだけが残っていた。
神戸の実家のあたりはゴム工場街だ。
カメたちはどうやって生き延びていっただろう?
しかし、1週間くらい後になって、ドロガメがうちから20mほど離れたどぶで見つかった。
子供だったぼくは、そのカメが世界を回って、またうちに戻ってきたと想像した。
それからは、雨の日にもカメのバケツは軒下に出さないことにした。
イシガメの行方はいまだ不明である。
5月 生理的に受け付けない人
においかな?
もちろん、きつい体臭を好きな人がそう多くはないと思うけど、香水などもつけすぎているとかなり嫌なにおいの一種になる。
特に女の人の化粧の匂いがかなりダメだ。
まともに話していられない。
何度か会った事がある知り合いにこのタイプの人がいて、まともに話せないもんだから、いまだにこの人がいい人なのかどうなのかさえわからない。
この人を街でみかけた事がある。
知っているにおいがすると思って、前を見たら、5、6m先にその人が歩いていた。
街の中にこんなにも残り香を残せる人がいるなんて!
と驚愕した覚えがある。
しかし、どうせまともに話せないんだからと思って、なるべく違うルートをとって迂回した。
もしかしたら、そのにおいも、量によっては、忘れられないほどいい匂いになるかもしれないのだ。
すごく好きな人なら、多少の体臭もいいにおいに感じるように。
好きな人の軽いコロンのかおりや、軽い汗のにおいは、時が経っても記憶に残っている。
たまたま街で似たにおいに出会うと、その出所を探してしまったりする。
かおりは、記憶に残りやすい要素なのではないだろうか。
前述の人は、においがきつすぎて、生理的に受けつけないのだ。
ただし、記憶には鮮明に残ってしまった。
4月 無駄な知識
無駄な知識の量においては、ぼくはハラホロの中で石黒亜実と1、2を争うのでは、と自負している。
過去の歌謡曲の知識では彼女に負けてしまうが、ピンクレディーの振り付けはおそらく劇団一だろう。
しかし、振り付けは、果たして知識に入るのか?
しかし、動植物に関する知識なら、彼女も僕にはかなうまい。
とはいえ、ここで披露するほどのマメ知識は急には思いつかないものだ。
せいぜい、道端に咲いている雑草の名前を端から言っていく事が出来るくらいか?
何かここで披露できる無駄な知識は・・と考えるが、本当に無駄なものしか思い浮かばなくて、書けもしない。
例えば、石田雄二郎(ハラホロ若手・自称No.1)のお兄さんは薬剤師で、以前は石神井公園に住んでいた(現在は引っ越したらしい)、とか、松井聡志(ハラホロスタッフ)は戸田公園のプラザUSAという変な名前のアパートに住んでいるとか、本当にどうでもいいことばかりが浮かんでくる。
しかしこれらも、それぞれから聞いた話ではなく、石田の兄さんについては、公演アンケートに石田兄が答えていて、それをたまたま読んで覚えていただけで、松井くんも、うちにくれた暑中見舞いの住所を見て覚えていただけなのだ。
だから、2人とも僕がその事を口にしたとき大変驚いていた。
10周年記念パンフレットを購入した方は、劇団員への質問の欄で、得意技は、の質問に「聞いてないフリして聞いている、そして忘れない。」と僕が書いたのを確認できると思うが、何気ない事を何気なく覚えているのだ。
そして無駄な知識が増えていく。
最後に、何故飲んだあとはラーメンが食べたくなるかということを書いて終わろう。
アルコールを摂取するとアセトアルデヒドという活性酸素が出来る。
これを肝臓の中で分解する酵素があるのだが、分解するときに大量の糖分が必要となり、血糖値が下がる。
血糖値が下がると空腹感を感じ、でんぷんなどの糖分が欲しくなる。
よって、ラーメンなどのでんぷんを多く含んだ食品を欲するのだ。
飲んだあとラーメンが食べたくなるのは当たり前なのです。
3月 山田徳子はどんな人か
山田徳子はその地味な名前とは裏腹に、仕事のできるキャリアウーマンだ。
しかし、男運が悪いのか、あまりいい恋愛をしていない。
結婚願望が強いくせに、現在は上司と不倫をしている。
あまり大きくない会社で、上司は社長の息子だ。
徳子のいる部署は、会社でも特別で、彼女は上司の通訳兼秘書のような仕事をしている。
そのせいか上司と2人きりになることも多く、仕方がないかな、と徳子も思っている。
一人暮しをしている徳子の部屋にはじめて来た時、ラジカセしかない事を知った上司が、次の訪問の時にミニコンポを抱えて来てくれた。
徳子は寂しくなると、そのステレオで音楽を聞く。
去年の11月に徳子は何度目かのお見合いをした。
写真を見てもピンと来なかったが、会ってみても何も感じない相手だった。
ただ、見た目以外の条件は、30歳を超えた徳子にはかなり魅力的だった。
とりあえず、保留にしようと思った。
お見合いのことは上司には黙っていたが、その夜上司から電話があった。
いつものホテルで上司と会った。
いつもより感じている自分を発見した。
お見合い相手は徳子の事を気に入ったらしい。
徳子は好きでも嫌いでもない相手をどう考えていいのか判らなかった。
もしかしたらこういう人が結婚相手だったらうまく行くのかもしれない、とも思った。
しかし、この先この人と一緒に暮らしている自分を想像できなかった。
徳子は丁重に断りをいれた。
しかし、見合い相手はかなり積極的だった。
仕方なく徳子は見合いの日に別の男と寝た事を告白した。
驚いた事に、見合い相手は、「それが断る理由ですか?」と言った。
「30を過ぎて仕事ができる女の人が何もないわけはありません。」
徳子は慎重に考えたが、結局断った。
最近徳子は女友達とばかり会っている。
みんな仕事のできる30代の美しいキャリアウーマン達だ。
2月 名前にまつわる話
『山本佳希』というのは芸名である。本名は、『今井芳樹』。
よく、「何故『山本』なんて普通の名前を芸名にしたの?」と聞かれるが、取りたててものすごい理由があったわけではない。
ただ、大学1年生のときのクリスマスパーティーで、よく知らない人から「山本じゃないか!」と言われたのがきっかけだった。
もちろん「違うよ、今井だよ!」と言い返したのだが、「いや、今井というよりは絶対『山本』だ!」などとそいつも譲らない。
そのうち、周りにいた友人達も、「そう言えば『山本』だなぁ。」などという始末。
いくら違うと説明しても、「いや、今井というのは世をしのぶ仮の姿だということは知ってるよ。」とか、「山本っぽいよ!」などと訳のわからない事を言い、すっかり『山本』にされてしまった。
でも若い頃、自分の名前に妙な違和感をおぼえていた僕は、すっかりそれが気に入ったのだ。なんだかしっくりするような気がした。
だいたい親の反対を押し切って上京してきた自分をどっかでよく思ってなかった節もある。
『今井酒店』。『今井』は親の商売の屋号なのだ。
別の商売をはじめようとしている僕は別の名前が欲しかったのである。
だから、最初の劇団をはじめるときに芸名をつけた。
『佳希』は、『芳樹』と音をいっしょにした。
たしか野末陳平の姓名判断の本で決めた。
『成功する名前』だったような気がする。
15年くらい経ったが、成功したのだろうか?
『ボビー』というニックネームになったのは、最初にやった芝居が、キューバ危機の話で、僕はJFKの弟、ロバート・ケネディの役だったからだ。
ロバートの愛称は、ボビー。
僕は大学2年。16年くらい前の話だ。
その芝居で松澤と知り合った。
思えば長い付合いだ。松澤とも、『ボビー』とも、『山本佳希』とも。
1月 21世紀の抱負
去年の年頭の『今年の抱負』でも書いたとおり、僕は長期にわたる計画を立てるのが苦手である。
『今年の抱負』すらひとつも実行できなかったのに(2000年、12月のお題参照。)、『21世紀の抱負』なんて!
とりあえず、僕はきっと21世紀中に死ぬであろうから、『死に際はきれいに』って事を目標とするかな。
そんな漠然とした目標しか立てられないな。
ただ、今年の抱負は珍しくしっかりある。
『犬の散歩』だ!
うちの愛犬ハナちゃんは、束縛を嫌うオンナで、首輪やハーネスといった身体を縛るものが不得意なのだ。
だからお外は大好きなのに、あんまり散歩に連れていってもらえない。
でも、今年で5歳の熟女なので、そろそろ体力を維持するために健康に気をつかわないといけないのだ。
で、ご主人である俺様は『なるべく毎日、30分以上』というかなり軽めのお散歩から慣らしていくことにした。
今年の抱負はそれだけ。
あんまり張り切ってあれこれ言っちゃうと何も出来なくなりそうだからな。
そしてまた12月ごろ反省しなきゃだし。
今年は『不言実行』の年にしたい。
↑これって、なんか抱負っぽい?
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