Profile HARAHORO SHANGRILA

今月のテーマ

1999
12月 私の今年の10大ニュース

私の今年の10大ニュース。
※最初に。何だかメチャメチャ長くなってしまったので、長いですよ。

2月。1%スマートローンにてiマックを購入。その後、スマートで無い返済をくり返す。

同じく2月。日本テレビの深夜のドラマに出演させて貰う。公園や面接室での会話を盗撮風の映像にしたもので、顔はそれ程写らないけど、台本がとても面白く、何よりドラマでそんなに沢山喋ったのは初めてだったので、すごく嬉しかった。

4月。“劇団力わざ”のプロデュース公演に出演させて貰う。演出のプラチナ・ペーパーズの堤さんも、役者の半分位も、去年の夏の公演の時と同じメンバーだったので、人見知りせずに、参加出来たのは良かった。が、連日皆とラーメン&ビールの夕食の宴を繰り返していたら、史上最強に太ってしまったのには、困った‥。

6月。生まれて初めて、バカラのグラスが飾ってある、ピアノのある高級バーに連れて行って貰い、ロックグラスに入っている丸く削った球体の氷を見て、痛く感激し、カルチャーショックを受ける。

同じく6月。何気なく観た映画、『ライフ・イズ・ビューティフル』に感涙。コメディーやってる人が、一生に一度はやりたいと思う様な映画だ。
親しい人に、熱い思いのまま薦めたが、『君のお薦めじゃ』と誰一人観に行ってくれなかった。が、そんな中『行く行く!』とは言っていたが、どうせ行かなかったんだろうと思っていた、プチケカの前田さんが、本当に劇場迄観に行ってくれたらしく、この間公演を観にいった時、楽屋口で会った途端、開口一番『良かったよ!あれ、ビューティフル・イズ・デイ!!』と、叫んでくれた。‥‥一瞬何の事やら解らなかった。嬉しかったケドね。

7月。生まれて初めてサファリ・パークに行く。あまり期待していなかったけど、不思議な経験だった。
今まで遠くからしか見た事のない、サイやキリンやライオンが、車の窓ガラス一枚隔てたすぐ横まで来るものだから、余りの嬉しさで妙にハイになってしまい、不思議と現実感が無くなってしまう。
今まで、サファリー・パークで車の外にウッカリ出て事故に遇った人のニュースを聞く度に、『ウッカリったって、何もソコまで。何で?』と、どうにも理解出来なかったが、ようやく合点が行った。イヤ、あれじゃウッカリ外に出ちゃうって。何か映画の中に入り込んだみたいなんだもの。
私もライオンの側で、窓から手を出したくて仕方無かった。一人だったら、指先くらいチョット出してみちゃったカモ。
この歳になっても、まるで味わった事の無い感覚って、未だ未だあるものだなぁー、と思った。

7月。神奈川の方の花火大会に『家から花火が見える』友人がいたので、皆でお呼ばれさせて貰った。
花火大会は大好きなのに、皆、彼氏彼女と行くので、見れたのは数年振り。すごく綺麗だった。

8月。ずっと行ってみたかった、神宮外苑の花火大会に行く。東京生まれの東京育ちなのに、今まで一度も行く機会が無かった。今年は夏に旅行も行けて、花火大会に2回も、しかも夢だった神宮まで来れて、今後3年くらい花火大会に来れなくなったらどうしよう‥?と、ちょっと不安になる。でも、花火はすごく大きかった。綺麗だった。

9月。ロマネスク一族大歌謡祭にセシボンズとして出演。歌い踊ってしまった。
元々私は趣味として参加させてもらったユニットだが、今回は劇場迄借りて、本格的になってしまった為、皆必死だった。私も初めて、自分が出るコーナーの企画、台本、振り等を、演出補として考させて貰った。やってみて思った事は、演出は本当大変だ、と言う事だ。私何か補だけど、これだけ大変だったンだから、演出は本当ツライんだろうなーと思った。演出家に何より大切な資質は、『この人の作る物に出たい』と思わせる、人間的魅力だ。先ずそれが無ければ、後何があっても、ダメだと思った。そして、考えてる事を、キチンと正確に伝える事。人間関係を考えて、湾曲して喋ったりすると、全て裏目に出る。私にはどちらの能力も無かった。
取り合えず、最後まで投げ出さずにヤレた事は、私にとって、イイ勉強になった。
本当言うと、芝居を始めてから、初めて公演前に、『このまま箱根辺りに行って、暫く潜伏してたら、諦めて誰かが何とかしてくれるかも。』と、トンズラを考えたケド。
ネタに詰って一番困ってる時、稽古場で何時間も、渡辺ひろし君がアイデア出しに付き合ってくれた。あの時独りだったら、本当に逃げ出してたかも。逃げなくて良かった。感謝。お礼にと、京都でお土産に漬け物を買って来たが、渡す前に腐ってしまって、腐った漬け物しかあげられなかったケドね。食べたのかな?
ハラホロの人も沢山観に来てくれて嬉しかった。
そしてこれからは、ハラホロの演出の中野さんも、もっと大切にしようと思った。
いつか、もっと人間として成長したら、もう一度挑戦してみたい気も、一寸だけする。

11月。ハラホロ3ヶ月連続公演始まる。
毎日、大好きな芝居の稽古が出来て、驚く程幸せだったし充実してた。
例えるなら、最高に面白い推理小説を枕元に山積みにしてベッドに入り、お腹が空いたら次から次ぎへと御馳走が出てきて、トイレも行かなくて済んじゃうくらい、幸せ。
こんなイイ調子がづっと続くだろうか?と思ったら、案の定途中から歯車が狂い始めて、9月の教訓も、まるで生かせなかったし、初演時やり残した事や、到達したいラインがあったが、届かなかった。すごく、すごく悔しい。
公演終了翌日、生まれて初めて一人で温泉に行った。夜、露天風呂に入りながら、この先どうしたものかなぁー、と空を見上げたら、露天風呂に屋根が着いてて、屋根裏の木材しか見えなかった。こんなの露天風呂じゃないヤイッ、と思った。

以上が私の今年の10大ニュースです。
珍しく真剣に考えてしまいました。読んで下さった方、本当に長くてゴメンナサイね。
今年の10大ニュース何て、10っ個も有るかしら?と思ったけど、10っ個も有って良かったです。(人の海外旅行が私の花火大会位のレベルだけど。)
では。
良いお年を。


11月 3連続公演までにやっとかなきゃいけないコト

部屋と心をスッキリさせる事。
です。

1999年11月、2000年まで後2ヶ月。
来年12年に一度の恋の年に向けて恋人募集温存中の河野景子。ふふ。


10月 自分の鍛えたい部分

素直筋。

実は、あまりバレていないと思うが、結構な天の邪鬼で、近しい人に程憎まれ口を叩いてしまう悪癖があるので、最近『ありがとう』『嬉しい』『素敵ね』等を素直に口にする様に心掛けています。
でも、
渡辺美智代さん、
『ありがとう。嬉しいわ、買ったばかりの懐中電灯見せて貰えて。とっても素敵ねー。』
一緒に全部使うと、嫌味に聞こえて来るのは、何故でしょう・・・?
恐い恐い。
危うく言葉の迷路にはまり込む所だった‥。

この秋は、やっぱり、解りやすい腹筋でも鍛えておこうと思います。

             1999年9月。河野景子、スポーツの秋。


9月 秋になったら真っ先に食べたいもの

秋になったら、真っ先に食べたいものは、
栗ごはんです。
あ、でも秋刀魚や松茸の入った茶わん蒸し(大好物)とかも食べたいなぁ。
そうだ、
秋になったら真っ先に食べたいものは、
『秋の秋刀魚定食、栗御飯、松茸茶わん蒸し付き』
ふふふ。
ズバリ、これですべての食べたいものが、食べられるでショウ。
欲しい物はすべて手に入れる女、河野景子。(恋人募集中)


8月 夏の間に読んでみたい本

とくに無いです。
いっつも本ばっかり読んでるので、
今年の夏は、恋でもしようかな・・・。
なんて思ってます。
じゃ、
ナンシー関の、『耳部長』の続きを読みたいんで。
この辺で。

             河野 景子(恋人募集中)


7月 自分のことを見直した瞬間

戦った時。
負けたけど。


6月 自分のことが嫌いになった瞬間

消えちゃいまシタ。
いま朝の5時10分です。
お腹が痛いデス。
お腹が痛いのに、『頑張って書いてて偉いなぁ〜、アタシ。』
と思ってたら、2ページに渡る文章がもうすぐ終わるという時になって、
全部消えちゃいました。アハハ。
まさか、メール書いてるだけでフリーズするとは思わなかったっス。
ひょおっとして、何処かに保存されてたりしてぇ♪と微かな希望を持ってたけど、
何処にも無かったっス。
虚しいっス。
もうダメっス。
マジお腹痛いっス。
今月はこれで終わりにするっス。
こんな私・・・嫌いっスか?

私はアイ・マックが嫌いになりました。
そして、朝の5時にマックの横っ腹を爪楊枝2本で必死にツツいてる自分が
ちょっと嫌いになりました。

コレって“瞬間”っスか?


5月 謝りたいこと

 以前ある稽古場で、衣装スタッフの人から連絡TELが入る予定だったので、出演していない若手の人に「掛かって来たら出てね。」と言って、携帯を渡した事があります。
稽古が進み、運悪く張り詰めたシーンに入ったところで、その携帯が鳴り始めました。
バイブにしておいたのですが、机上に置いてあった為、思いのほか携帯はガーガーと大きな音を立て、慌てた彼女はうまく電話に出る事が出来ません。
まずいっ、と思ったその時、演出家から
「携帯切っとけって言っただろぉつ!!」
と怒声が飛びました。

シ〜ン。

あまりの状況に、私は、
「すいませんっ、それは私が出てくれる様に頼んだんです。彼女は悪くありませんっ!」
・・・とビビッて言えませんでした。 哀れ彼女は濡れ衣を着せられたままに・・・。
卑怯者。 私の事をそう呼んで下さい。 卑怯者と・・・。

ごめんなさい。

今回のお題を聞いて、一番最初に思い出したのはこの事です。
Fさん、しばらく会って無いけど元気ですか?
いつも会う度あやまろうと思いツツ、何か改まるのに照れてしまって、言いそびれてました。
ごめんね。
どうか、笑って許して・・・。

その他は特に思い付きません。日常しょっちゅう謝ってるので・・・。
ああそう言えば、Kさん、あなたに借りたマッキーのCD、やっぱり無くしちゃったカモ。
テヘヘ。
ごめんね。


4月 春になると必ず思い出してしまう事

花の子ルンルンの事。


3月 引き出しにしまってあるもの

 海外移住生活マニュアル。

行き詰った時。 この本が私に一筋の光明を与えてくれます。

『いつか逃げ出してやる、こんな街から。』 …浜省と一緒に。と。

関係無いケド先週。 『うごんすごんぐむーれ』出演の渡辺くんを見て、
私が言うノモ何だけど、『うまくなったなぁ〜。』と感心。

オーディションの時の姿を想い起こし、感慨ひとしお。

こういう風に、目に見えてグングン良くなっている人を見ると、私はここ数年でちっとは良くなったんだろうか?と不安になる。
こう言う時、焦ってナンかしても大して成果が得られ無い事に、数年前気付いた。

でも、それが数年後、忘れた頃にヒョッコリ果報となって戻って来る事に、ここ最近気付いた。(偶然かもしれないケド。)

『気が乗らない事でも、家でじっとしてるよりイイでしょ。』
の、木村拓哉の言葉に真理を見る。

う〜む。 恐るべし、きむタク。
恐るべし、ジャニーズ。

ヤハリ家で一人で逃避夢想ばかりしててはイケないのネ。

“引き出しにしまってあるもの”は取り替えて置きまショウ。

『英米短期留学マニュアル』に。

だって、何てったて『短期』だモノ‥。

いいでしょう? 2、3ヶ月くらい。 ‥逃げたって。
人間そうすぐには変わら無いモノヨ。  ね? 浜省‥?


2月 触ってみたいもの

レッドロブスターのドア
死ぬまでに、一度はレッドロブスターに行きたいです。


1月 今も心に響いている言葉

幼い頃、私は余程泣き虫だったらしく、ある日見兼ねた母にこう言われた。
「そんなに毎日毎日泣いてばかりいたら、年を取った時、眉間に皺が寄って、いつも泣いている様な顔になっちゃうわよ。それより毎日ニコニコしてて、 年を取った時、目尻に笑い皺のあるお婆さんになった方がずっと素敵でしょ?」
私はこの母の言葉に、激しい衝撃と感動を憶えた。そしてモーレツに思った。
「そうだっ、なりたい!!目尻に笑い皺のある素敵なお婆さんに…なりたい!!」と 。

それから、私の“目尻に笑い皺を作る”為の努力の日々が、母の“泣くのをやめさせる”という本来の思惑とは大きくハズレた所で始まっていった。
私は、“風呂上りに鏡の前で目尻に皺がクッキリと浮かび上がるまで二カッと笑い、それを5分間キープした後、さらに親指の爪で皺の後をグイグイ押す”という秘策を編み出し、それを毎日繰り返した。
思わぬ所で根性を発揮する私の努力の日々は、2年以上にも及んだ。
幼い私は『フフフ。これで必ず 目尻に皺のあるお婆さんになれるハズ…。』と、布団に入ってホクソ笑んだ。
この時、ホクソ笑む代りに、目尻にやたらと皺の多い女性が、20代、30代とどんなイカした社会生活を送る事になるか、推察する能力が私にあったなら…。

「人間努力でどうにでもなるんだ。」の言葉を立証するかの様に、お陰様で私は、人様に「年の割に皺が多い。」といって頂ける人生を歩むことができました。
もしあの時母が、
「―それよりも、毎日スキンケアして、皺一つ無いお婆さんになった方がずっと素敵でしょ?」といっていたら…。

後に悔いると書いて、後悔、か。
M君、有難う。
「あらー、河野さん相変わらず目の周りシワシワですねー。」
…今も心に響いています。

98年、厳冬

1998
12月 最近、欲しいと思ってるモノ

滝クンのミニ*ク−パー、中野さんのノート*パソコン、松澤さんチの赤ちゃん。

どうか、すべて手に入りますように***。


11月 最近、我慢したコト

最近我慢している事は・・・・無い。

友人を怒らせてしまった。
理由は解らない。話していたら、突然不機嫌になってしまったのだ。
私にとっては、珍しく何でも話せる大切な友人なのだが、「まだ怒ってるかも」と思うと恐くて電話できない。
もうこのまま会えないかもしれないと思う。
それでも”恐い”方が勝っているから、電話は「かけたくない」のだ。我慢はしていない。

そもそも我慢というモノには「無理すりゃ手に入るけど諸々の事情で・・・。」とか
「言ってやりたい事がノドまで出かかっているのだが諸々の事情で・・・。」とかのあともうちょっとで、出来ソデ出来ナイ”ギリギリ感”というのが必要なのではないだろうか。
この”ギリギリ感”がまるで無いというのはこれ即ち、私の人生にイキイキとした彩りが欠けているという事に他ならないのではないのだろうか?
と、この作文を書くにあたって、珍しく我慢という事についてまじめに考えていたら思い詰めてしまった。
そうだ、その通りだ!(自分で考えたんだけど。)
このままではイケない。
友人に電話をして、何故怒ったのか聞くのだ!それでこそ、真の人間関係や、イキイキとした人生と言ったものが手に入るのだ!!
聞くぞ!−−−−−15分経過。
聞かなくては!−−−30分経過。
−−−−−45分後、私は遂にダイヤルを押した。おぉ、何と言う勇気!ここ数年来で 一番勇敢な私に目からは湯気が出、鼻から血が出そうだ。
耳の奥には「レ・ミゼラブル」の”自由の歌”がこだまする。
永遠−−−−何て言葉も頭をよぎる、4コールの後「ガチャリ」と受話器を取る音がする。
「・・・・・ハイ。」
寝てた声。明らかに寝てた声!そして起こされて不機嫌な声。
この後に及んで「何故この間不機嫌になったのかナ?。」と聞く勇気は私には−−−−無い。
「・・・間違えました。ごめんなさい。」
トホホ。
原田宗典と一緒にトホホ・・・。
小松政夫と一緒にドボジデ、ドボジデ?
上田正樹と一緒に−−−−もういい。
つまるところ、私が我慢しているのは、自分の阿呆さ加減なのかもしれない。エヘヘ。
関係ないけど、今週。
三谷幸喜著「俺はその夜多くの事を学んだ」に立ち読みで感涙。
邦画「愛を乞う人」に映画館で号泣。
涙色の一週間。(高田みづえ辺りが歌ってくれるかも。)


10月 最近発見したこと

私の嘘はすぐバレる。
自分では、かなり上手についたの思ったモノでも簡単に見破られてしまう。何故だろう?とずっと不思議に思っていたのだが、先日午後3時頃友人からかかって来た電話に「はい!もしもし。」と"午前中からテキパキと仕事をこなしてきたかなり仕事の出来るOL風"に答えたところ、「あゴメンゴメン寝てたね、じゃっ。」とアッサリ電話を切られそうになり、慌てて引き留め「どうして寝てたって解ったの?。」と聞いたところ「だって、ものすごく必死で出るんだもの、そんなに必死に電話に出る人はいないよ。」と言われ、初めて今まで不思議に思っていた事の答えが見つかった気がした。
そうか、テンションが高すぎたのだ。
あまりにも完璧に嘘をつこうと、気合を入れすぎていたのだ。しかも私は嘘をつく時、リアリティーを持たそうと、頭に理想の自分の姿を思い描き、それをシュミレーションして来たのだ。
かつて私が、午前中からテキパキと仕事をこなして来た仕事の出来るOLだった事など一度もないのに。しかもそんな人が、午後の3時に家で電話に出る訳ないのに。
 嘘はさりげ無く、そして自分に忠実に。
これが最近私が気づいた教訓です。
関係ないけど、"怒られそうになった時、先に自分が怒ってしまう。"というのはかなり有効です。


9月 最近ついたウソ

可菜ちゃんへ。

 可菜ちゃん、元気ですか?おねえちゃんはあなたに、謝らなければならない事が有ります。おねえちゃんはこの間あなたに会った時、嘘をついてしまいました。厳密に言えば嘘では無いので、そう気にする程の事では無いのかも知れません。何しろ、おねえちゃんは”嘘つき”ではありませんが、決して嘘をつかない人間でも無いのですから。「電話するね。」と約束したのに、すっかり忘れていたお友達から電話が掛かって来てしまった時に「あ〜!今、調度掛けようと思ってたとこだったんだぁ〜。」と言う事や、お昼の2時に電話して来た友達に「寝てたんでしょ?」と言われ「ううん、全然起きてた。」と意味不明の嘘をつく事などは、日常茶飯事です。でも、おねえちゃんは世の中には、ついて”いい嘘”と”悪い嘘”が有ると思っているのです。それで言うならこれ等の事は、車を運転する人が遅刻した時に言う「すごく道が混でた。」と同じ位、事の真否は不問に付してよい嘘と言うよりは、まぁ”おちゃめな言い訳”の範疇に入るモノだと思っています。けれども、この間おねえちゃんがあなたについた嘘は、これに入らないのではないかという気がするのです。そのせいで、まだ2歳にもならないあなたの小さな頭が、そう遠く無い未来にやがて迎えるだろう混乱や、突きあたるであろう”言葉の壁”を思うと、胸が痛んでなりません。そこで、この場を借りて、おねえちゃんは可菜ちゃんに謝ることにしました。可菜ちゃん。ごめんなさい。でも、可菜ちゃん。おねえちゃんにはおねえちゃんなりの、そうせざるを得ない事情があったのです。その事を、可菜ちゃんにも少しでも判って欲しくて、いつの日かきっと大人になった可菜ちゃんがこれを読んでくれるだろう事を信じて、ここにちょっとその時の状況を記しておきます。
 その日、私は高校時代の友人である、貴女のお母さんとター君のお母さんと「久しぶりに三人+子供二人で会いましょう。」と約束していたにも係わらず、起きたのは、貴女のお家についてるハズの、1時の”ちょっと前”でした。そうです。お寝坊しちゃったんです。しかし幸いな事に、貴方のお母様達がくれた電話で目覚めたもので、「今起きたんでしょ?そんな事だろうと思った。2時には来てよ。」の言葉に「うん。」としか答える事が出来ず、嘘を着かずに許して貰う事が出来ました。ウソをつかずに済むのは気持ちのイイものです。いつもなら詰まらぬ言い訳をクドクドと考える処ですが、今回は違います。私は晴れ晴れとした気持ちで、お土産に買った甘いオレンジの香りがするケーキを手に、駅から貴方達が待つお家へと道を歩いておりました。その時です、私の胸を新たな心配事がよぎりました。「あなた達の名前が判らない」のです。そもそも、私は人の名前を憶えるのがとても苦手なのです。しかし、あなた達には産まれてすぐの産婦人科病院にも会いに行っていますし、その後も盆暮れ正月と、決して少なく無い回数会っていると言うのに、今さら”名前が判らない”と言うのは、チとまずいなぁ、と思ったのです。・・・な・つ・み、ナツミじゃなかったかナ?と言う考えが浮かびましたが(惜しかったですねぇ。ナ、は合ってたんです。)自信が有りません。かと言って、せっかく寛大な心で1時間にも及ぶ遅刻を許してもらったと言うのに、「遅れてごめんねぇ。ところであなた達の子供の名前何て言うんだっけ?エヘヘッ。」と言ったのでは、せっかくあなた方のお母さん達の心に宿ったエンジェル・ハートを何処かにフっ飛ばし兼ねません。そこで、私はあなた達の待つお家に着いたらすぐに・アズ・スーン・アズ!耳と脳の全能力をフル稼動させて貴方達二人それぞれの名前を探り出そうと心に決めました。
 お家に着いて「こんにちわぁー。」とドアを開けた途端に、トコトコと走り出して来た貴女の顔を見た瞬間、私は思わず「わあ!可愛い!!」と叫んでしまいました。貴女は赤ん坊の頃から、「将来ぜったい美人になる。」と私達が噂した程の可愛らしさでしたが、しばらく振りに会った貴女は又一層その容姿に磨きが掛かり、まさに文字通り”お人形さんのよう”でした。後ろから出て来た貴女のお母さんは、自分の娘に対する心からの賛辞を聞いて、ちょっぴり嬉しそうでした。気分が乗った私は思い切って「ねぇー、ナツミちゃん!」と、呼びかけてみようかと思いましたが、さすがに危険な賭けだと思い、辞めておく事にしました。(やめておいて本当に良かったです。ナツミは私の大学時代の友人の子供の名前でした。)様々な心の葛藤を読まれぬ様に、私が視線を横にズラシた時です。その視線の中に、おにぎりの様な、げんこつの様な顔をした、ター君がハイハイで飛び込んで来ました。さらにマズイ事には、私の先程の貴女に対する”賞賛の叫び”を聞いた彼の母親が、彼の後ろに立って、私が彼を見てどんな言葉を発するかを、期待の面持ちでじっと待っているのです。こんな時、スルッと「きゃー、こっちも可愛いー!!」と叫べれば、人生楽なんでしょうが、私は何故かそういう事が上手く出来ないのです。誰かが「イイノカイ!?そんな心にも無い事言って!!それは嘘だよ。」と語りかけるのです。それでも言おうとすれば、眼はキョトキョトと空を彷い、顔は、薄く引き吊った笑みが張りついた様になってしまうのです。私は言うべき言葉を必死で探しました。無論、彼だって可愛くない事は無いのですが、彼のおにぎりの様な風貌は愛嬌が有るとか、愛着が持てるとか言ったタイプのもので、先程可菜ちゃんに”様相が美しい”と言う意味で使ったばかりの同じ”可愛い”という言葉を、彼に使っては、嘘になるような気がしたのです。ようやく出て来たのは「わー、ほっぺのお肉が落ちたねー。」でした。これは嘘では有りません。むしろ貴女に対する賛辞の後では、心理的に相対的なケナシ言葉となってしまう可能性すら有ります。ナンとかしなければなりません。私は、ター君のお母さんが2度目に彼を私に合わせた日に「じゃが芋みたいでしょー。」と言って笑い乍ら、目にチラリと悲しい光を走らせた事を忘れてはいません。そしてその余りに的確な例えに思わずドキリとしてしまった事も。追い詰められた私の脳裏に稲妻の様にキラリと光るいい言葉が閃きました。「お父さんソックリね。」彼の父親はナカナカにモテるハンサムガイで、これは明らかに誉め言葉です。それでいて、目と言い鼻と言いそっくりで、決して嘘では無いのです。何故お父さんがじゃが芋に似てないのか不思議なくらいです。この言葉はター君のお母さんの心をヒットし、私がやっと安堵の息を吐き掛けたその時、あなたが「みのまわりのもの」という絵本を持ってやって来たのです。そして、憶えたばかりの言葉を披露する喜びを満面にたたえながら、絵を指して言ったのです。「くつ!」と。その時の私にはもう真実を追求する勇気も情熱も残ってはいませんでした。言葉はおぼえ間違うと、後で直すのが大変な事。誰かがあなたにそれが靴だと教えているらしい事。色々な思いが交錯しましたが、まぁ間違いでもないャ、と私は半ば諦め気分でこう答えました。「そうね、くつね。」しかしそれは嘘です。正確には嘘では有りませんが、貴女があの日私に示してくれた友情と信頼を鑑みるに、充分嘘にあたるものです。私は本当は貴女に、こう言うべきだったのです。「いいえ可菜ちゃん、それの名前はクツでは無いわ。それは、クツはクツでも、長靴よ!。」もっと言うなら、「ゴム長靴」です。更に言うなら、「紳士用黒ゴム長靴」です。ごめんなさいね。可菜ちゃん。
 では、長くなりましたが、あなたがクツとナガグツの違いの判る、更に高度な、スカートとワンピースの違いの判る女性に成長する事を願いつつ。さようなら。

可菜ちゃんへ。

こうののおねえちゃんより。


2000


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