Profile HARAHORO SHANGRILA

今月のテーマ

2000
4月 不思議な夢

稽古が深夜まで及んだ為、次の日昼からの練習に備えて、劇団員みんな、稽古場に芋洗い状態で雑魚寝していた。

と、朝の5時頃トイレにでも行って来たらしい、いんげんさんがドアを開けて、『中野、お客さん。』と囁く。
見ると、近隣住民の代表らしき人々4人組が、いんげんさんの後ろの玄関口にたっている。

気配に気付いて何人かの劇団員が起き出した。
中野さんが驚いた様子で、起きて来た滝君に、
『滝、はなっ、はなっ。』
と囁いている。
見ると滝君が、両鼻からドクドクと鼻水を垂らし続けている。
『ティッシュ、ティッシュ…。』
と、ウロウロする滝くんに亜実ちゃんが、
『全くモウ‥!』
とティッシュを渡してやっている。

中野さんが、やって来た4人に近寄り
『あの、ウチ未だ更新の契約して無いんですけど‥。』
と小声で言っている。
先方の男性が、
『ええ、判っています。』
と、答えている。
どうやら先方は、ウチが大家さんと更新の契約をする前に、自分達近隣の住民との間で、騒音や夜間使用に付いての取り決めを結んでしまいたいらしい‥。

『こんな朝早くから、座長さんは大変だな。』
と、思っていると、先方に紅一点で混じっていた俵万智似の女性が、
『こんな時間まで、皆さん大変ですねぇ。』
とにこやかに話し掛けて来た。
『厳しい条件を朝早くから突き付けに来た割には、優しい事を言うな‥。』
と思っていると、さらに
『頑張って下さいね。去年の夏の公演より面白く無かったら、赦しませんよ。』
と、言って来た。
『去年の夏は公演無かった筈なンだけどなぁ…。』
と思っていると、側に居た滝くんが、
『去年はウチは夏じゃなくて、秋まで無かったンですケドね。』
と、訂正した。
すると彼女は、
『ええ、ですから秋のソレ。私は観て無いンですけど。』
と平然と答えている。
私は、
『何だ観て無いのか。観て無いのに、どうやって比べるンだろう‥不思議な事を言う人ダナ。』
と思った。

4人を立たせたままにしているのも悪いので、座布団でも出さねば、と思ったが、考えたら劇団の座布団は3ツしか無い。
『松澤さんのマイ・座布団を借りれば4ツになるけど、勝手に使ったら怒りそうだし‥困ったナ。3ツだけ出したら変かな?どうしよう‥どうしよう‥。』
と、私はそこに立ったまま頻りに考えていた。

不思議な夢だった。


2月 自分だけの記念日

記念日って言うのは無いです。

昔々、初めて彼氏が出来て、おつき合いに毎日ドキドキの日々を送っていた私が、雑誌をパラパラと捲ると『ボーイズの本音』という特集をやっていた。
そこには、
『俺達は憶えてないのに、女の子は記念日とかをヤタラ憶えていて、困る。ケンカの原因になる。』
と言う様な事が書いてあった。
『そうか‥ボーイズはそういう風に思っているのか!!
折角記念日を楽しみにしていてケンカに何かになったら悲しすぎる。』
男女の考えの差に目からウロコを落とした私は、スケジュール帳の二人が付き合い出した記念日を見えない位小っちゃなマークにして、なるべくそれを見ない様にして、忘れる様心掛け、記念日等にこだわらない、イカした彼女に成ろうと頑張った。
そしてある日突然、『今日何の日か判る?』と彼氏に聞かれた時には、目出度く綺麗サッパリ忘れていた。
咄嗟に!?ヤバイ!!と思い、『も、勿論憶えてるよ。』と口から出任せを言ってみたが、幸いな事に、『そっか、憶えてたんだー。』と私のアドレナリン放出度100%の嘘に騙されてくれる程、彼はお馬鹿さんではなく、気まずい空気が漂った。
『だ、だってそんな事憶えてると思わなかったから‥。』
慌ててした弁解で、更にドツボにはまり、『もういい‥。』と言われて、
ショーンボリ。
とかく恋は難しい。

『男ってのは‥』で始まる講釈にも随分振り回された。
『男ってのは余計な世話は嫌なんだよ。』と言うのを聞き齧り、なるべく手伝わずいたら、後で『男ってのは世話やかれると嬉しいもんなんだよ。』
なんて真逆の講釈を聞いて愕然としたり。
せめて、『俺ってのは‥』って言ってくれりゃ良かったのに。
ああ。お兄ちゃんがいたらなぁ。
『男ってのは‥』は人によって随分違うものなのね‥と気がつくのはもっとずっとずっと後の事。
って言うか最近?
でも、
マニュアルはどうやらあてに成らないらしいぞ?と言う事には、この時ちゃんと気がついた。
この恋のマニュアルに疑問を持った、『恋のマニュアル疑惑発祥記念日』は、12月の‥いや1月の‥‥。
もっ、勿論憶えてるよ。

ちなみに、
『女ってのは、花貰うと嬉しいもンなのよ。』
は、真理だと思うんだけど、どうでしょう‥?


1月 今年の抱負

来年の抱負はズバリ『恋』でしょう。
何てったって、待ちに待った“12年に一度の恋の年”ですもの。
我乍らよく待てたモンだと思うけど、遂に世紀の瞬間がやって来るのですね。
ふふ。
2000年、ミレニアムには“めったに無い”と言う意味も有るんだそうです。
だから、これ迄ずーっと貧乏だった人に大金が舞い込んだり、彼氏のいなかった人に飛び切り素敵な彼が出来ちゃったりする、年なんだそうです。
ふふふ。(嘘だけど)
来年の今頃には、イヴ、クリスマスと6時間もお付き合いした明石家さんまさんにもグッバイ、『やっぱりさんまの司会は絶品だ。』などと感心している場合じゃございませんもの。
彼と二人で『わぁーキレイ。』何て言いつつ美しいイルミネーションを見上げている事でしょう。場合に寄っては海外辺りに旅行にいってるかもしれませんねー。
ふふっふ。(本気だけど)

モノのポジティブ発想系の本に因ると、よりリアルに、具体的に思い描けば描く程、現実と成りやすいそうですし、かなり閑なので、(そんな閑あったら台詞覚えなきゃイケないんだけど)ココにちょっと“2000年、こうのけい子の恋予定”を書き記してみたいと思います。
この師走に私よりヒマな人がいたら読んでみて下さい。

1月
『あら?何だか素敵な人。』と、思う人とすれ違うが、そのまま通り過ぎてしまう。
2月
偶然の再会。ナンとあの人は友達の友達だったのだ。
運命的な物を感じる私。
友達を交えての会話も盛り上がり、その場の話しの流れで『今度又皆で映画に行きましょう。』と言う事になるのであった。
3月
約束の場所に行ってみると、友達から急遽携帯に電話、
『お腹が痛いので行かれ無い。』と言う。(わーい)
“友達と映画”が一変、“二人でデート”と化す。
普段は緊張して喋れなくなってしまう私だが、何故か彼とはお喋りも弾み、運命的な物を感じる。
その後『もう会えないのかなぁー。』と思っていると、彼から突然のTEL。
『今度はあの映画を観に行きましょう。』と誘われる。キャアキャア。
神様ありがとう!!そこら中にキスして回りたい気分。(けい子ちゃんにキスされ無い様に御用心。)
今度は次の約束もして帰るのであった。
4月
ハラホロの稽古も始まるが、余りに幸せな為、お肌の調子も絶好調、
瞳の輝きまで違うので、稽古場で会った渡辺みっちーに『何かいい事有ったの?』等と勘ぐられるが、喋ったら壊れそうで心配なので未だ内緒内緒。
稽古の合間を縫って、3回目のデートをするのであった。
公演本番、彼が大きな霞み草の花束を持って観に来てくれる。
何故かその日は一度も噛まずに絶好調。運命的な物を感じる。
公演が終わった次の日、脱力感から寂しい気持ちになってると、夜彼から突然のTEL。『近く迄来たから御飯でも一緒に食べようよ。』と誘われる。ウーン幸せ。
いつもはクリスマスの次に寂しい夜に、こんなに幸せでイイのかしら?

2コマ進む。

7月
『券貰ったから行こうよ。』と彼が誘ってくれたのがプロ野球。
自慢じゃ無いが、実は今迄野球場に野球を観に行った事が無かったのだ。
生まれて初めての野球観戦、何故か阪神が9-0で勝ち、運命的な物を感じる。
すると帰りの別れ際に、何と『付き合おう』と言われる。ヒー。
『生きてて良かった。ライフ・イズ・ビューティフル‥』等と心で呟きつつ、勿論OK、オッケー!!じゃーん。晴れて彼氏が出来ちゃったのであった。
8月
彼もお休みが取れたのでデート三昧。八景島シーパラダイスとか、葛西臨海公園とか、デートのメッカだった為、今迄行きたくても一度も行け無かった所に一杯行く。花火大会にも行く事になり、彼と行ける日が来たら買おうと思っていた浴衣を遂に買う事にして売り場に行くと、半額になってる素敵な浴衣が一つだけ残っていて、運命的な物を感じる。
9月
幸せ。
10月
とても幸せ。
11月
めちゃめちゃ幸せ。
ハラホロの稽古が始まるが、悪いけど芝居所では無いのだが、恋愛に因って人間性が急成長した為『一回り大きくなった。』『芝居に奥行きが出た。』等と誉められる。
努力もしないのに誉められて、『これぞ正に、花嫁からブーケね。(良い事が起こった事に因って、更に良い事が引き起こされる事の意。)注:河野創作』とほくそ笑む。
ファームの富山ちゃん辺りから『河野さんどんな特訓をしたんですか?』と聞かれ『恋よ。』と心の中で答えるが、お澄ましして『別に。』とお返事する。
12月
彼のプレゼントを探し回るので忙しい毎日。やっぱセーター辺りにしようかなぁー。
クリスマス、表参道には間に合わなかったけど、憧れのイルミネーションの中を、彼と二人で歩く。帰宅してテレビを付けると明石家サンタが未だやっていて、去年は一人で観た番組を二人で観るのが嬉しくて、『電話しちゃおっか?』等と興に乗って掛けると一発で掛かり、即合格。おまけにニューヨークペア旅行御招待の大当たりまで出て、運命的を実感する。

・・・失礼しました。以上が私の2000年恋の運命予定帳です。
私も書いてて途中から、どうかなと思ったんだけど、一度始めた事なのでやり通してしまいました。
こんな私ですが、どうぞ今年も一年、宜しくお願いします。

こうの けい子 2000年。恋元旦。


1999-1998

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